自己投資と回収

いくつかのヒットによって、多くの無駄が報われる
Atsushi Mandai 2024.05.08
誰でも
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ベンチャーキャピタルにおいては、例えば20社に投資をして、そのうち19社がダメになってしまっても、1社が大ヒットサービスになり上場すれば、すべての投資を上回るリターンがある、といった考え方で運用がなされています。

上場株や投資信託での運用だと、さすがにもっとマイルドであり、完全にダメになってしまうものは少ないし、逆にとんでもないリターンを生み出すものも、そこまで多くはありません。

さらに債券であれば、基本的にはダメになるリスクは少なく(いくつかの投資適格な債券に投資をすれば、だいたいは全て元本が無事に返ってくるでしょう)、その分リターンも限られています。

さて、自己投資も投資であるとするならば、その性質はどれに近いでしょう?あくまでも個人的な約30年間の経験からいうと、自己投資はベンチャーキャピタルに近いと思います。要はリターンのボラティリティが激しいということです。

だから、1つか2つ自己投資を試みても、何も得るものがなく、投資した時間やお金が無駄に終わるかもしれません。だけど、世の中に好奇心を持って、色んな挑戦や勉強、体験に時間やお金を投資をしていくと、その大部分は無駄になるけれど、その中でいくつか投資が報われるものが出てきて、そのリターンが大きいので投資が回収できる、そういった類のものだと思います。

例えば、趣味を見つけようとして、いろんな趣味をトライしても、だいたいはピンと来なくて、時間(せっかくの週末)もお金も無駄になって終わるでしょう。だけど、興味を持って、色んな趣味にトライしていると、ある日、一生の趣味になるようなものに出会える。そうすると、毎週末が楽しくなり、これまでの無駄が全部報われるというわけです。

そんなイメージを持って、長期的な視野でどんどんトライしていかなければと。自戒を込めて。

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※ 本ニュースレターの内容は個人的な見解であり、何らかの組織の意見を代表するものではありません。

万代 惇史 / Atsushi Mandai
普段はマネックスグループで新規事業などを担当しています。ブレスト、ディスカッション、壁打ち、雑談、事業提携、何でもお気軽にお声がけください。

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