『一勝九敗』
最近読んでいる、柳井正氏の『一勝九敗』より。
ユニクロは、売上が1,000億の目前で成長が止まってしまい、踊り場を迎えた際に、ABC(オール・ベター・チェンジ)推進を進めたといいます。その主な内容として、本書に記されていたのが、以下のもの。
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FRのイノベーション。作った商品をいかに売るかではなく、売れる商品をいかに早く特定し、作るかに業務の焦点を合わせる。
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マーケティングを徹底し、マーチャンダイジングと連動して「売れる理由」を売り場で表現することに全エネルギーを集中する。
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個店対応、SKU管理(色やサイズ別の商品管理)を、最初の企画生産から最終の販売まで徹底し、ムダの排除をする
ここから分かるのは、ユニクロの商売の本質は「プロダクトアウト」ではなく「マーケットイン」だということ。
さらに解像度を上げると、マーケットインの具体的なやり方とは、まずは売れている商品を発見して、その商品が売れている理由を把握するということだと分かります。
売れる商品には、売れる理由がある。だから、その売れる理由(顧客目線での商品の魅力)を他のお客様にも紹介すれば、他のお客様も買ってくれるだろうと。この結果、フリースキャンペーンや原宿店の成功に繋がったそうです。
自戒も込めてですが、日本の教育を受けていると、何かを改善するというと、「悪いものを良くしなければ」と考えがちです。例えば、Aという商品が売れていて、Bという商品が売れていないとき、Bという商品をもっと売らなければ、改善しなければ、と考えがちです。しかし、全体の数値を改善しようと思うなら、本来やるべきことは、Bという商品の生産を減らして、空いたキャパシティでAという商品の生産を増やすことでしょう。
この「売れる商品」と「売れる理由」の発見と、その再現・横展開に全力を尽くす、という正しい努力を日々愚直に繰り返すことの力を感じました。
※ 本ニュースレターの内容は個人的な見解であり、何らかの組織の意見を代表するものではありません。
万代 惇史 / Atsushi Mandai
普段はマネックスグループで新規事業などを担当しています。ブレスト、ディスカッション、壁打ち、雑談、事業提携、何でもお気軽にお声がけください。
X:@atsushi_mandai / E-mail atsushi.mandai.1991@gmail.com
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