Polygon Labsが2社を総額2.5億ドルで買収し、ステーブルコイン事業に本格参入
Polygon Labsが、米国の暗号資産・ステーブルコイン決済企業「Coinme」と、ウォレット・クロスチェーン基盤の「Sequence」を総額2.5億ドル超で買収する契約を結びました。*
これは、Polygonが掲げる「Open Money Stack」という構想に則った動きです。「Open Money Stack」は、資金移動や決済をオンチェーンで完結させるための包括的な基盤を提供する構想です。具体的には、複数のブロックチェーンや既存の金融インフラをまたいで、簡便に資金移動を行えるようにするものです。複数ブロックチェーンの相互接続も含めて「チェーンを意識させない」体験を目指すとしています。*
今回買収された2社は、役割がはっきりしています。
「Coinme」は、クリプト業界でオンランプ/オフランプと呼ばれる、法定通貨とステーブルコインの交換機能を規制に対応した形で提供しています。同社は、米国でのライセンスやコンプラ基盤に加え、5万超の小売拠点ネットワークや100万超のアプリユーザー、企業向けAPIなどを保有しています。Polygon Labsによる買収は、2026年Q2に完了する見込みです。
「Sequence」は、ウォレット基盤と、複数のブロックチェーン間をまたいでトークンを移動させる技術(ブリッジ・スワップ)を包括的に提供しています。ブロックチェーン上で、ステーブルコイン等のトークンの保有・移動を簡単に行えるサービスを提供している企業です。ユーザーや運用担当がチェーン差分を意識せず送金・決済できる世界観を狙います。こちらは2026年1月中に買収が完了する見込みです。
つまり、既存の法定通貨の世界とブロックチェーン上の世界の間でお金を動かすのが「Coinme」であり、ブロックチェーン上の世界でお金を動かすのが「Sequence」です。
これまでステーブルコイン決済は、オンランプ/オフランプ、ウォレット、チェーン間の移動、KYC/AMLや監査対応など、関連する各種機能が様々な会社によってバラバラに提供されており、企業がステーブルコインを事業オペレーションに導入しようと思っても、その運用や管理の負荷が高い壁となっていました。
Polygon Labsは、買収によって各機能を取り込むことで、ステーブルコインやブロックチェーン時代の資金移動に関連する一連のソリューションをワンストップで提供することを目指しています。
ブロックチェーンの提供事業者であったPolygon Labsがステーブルコインの決済に力を入れ始めた背景には、ステーブルコイン決済の市場が拡大していることがあげられます。
米国では「GENIUS法(ジーニアス法)」と呼ばれるステーブルコインに関する法律が昨年成立して、規制の枠組みが明確になったことで、ステーブルコインに事業として取り組みやすい環境が整いました。また、大手ステーブルコインUSDCを提供するサークル社も上場を果たしています。
先日は、2025年4Qにイーサリアム上のステーブルコイン決済が8兆ドルを超えたというニュースもありました。これは、例えば、VISAや東証の決済金額を上回るような決済規模です。*
こうした環境の変化を受けて、Polygon Labsだけでなく、米国の大手銀行やVISAなどの決済会社、PayPalなどのウォレット事業者もステーブルコイン事業に取り組みはじめています。
今後、どのような事業者が主要プレイヤーとなり、どのような棲み分けが行われるのかは、日本におけるステーブルコインのエコシステムを予想する際にも参考になるでしょう。
万代 惇史(まんだい あつし)
マネックスグループ 執行役員(新規事業)/ マネックスベンチャーズ代表
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※ 本記事は筆者の個人的なメモであり、所属組織とは一切関係ありません。また、一部AIを用いて執筆しています。可能な限りファクトチェックをしていますが、気になる部分については、ぜひご自身でもご確認ください。
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