マンション工期が伸びている
日経新聞によると、マンションが完成するまでの期間が長期化しているとのこと。特に首都圏では、過去10年で工期は3割伸びたそうです。背景としては、建設や設備工事関連の人手が不足していることがあげられています。また、建設業界への残業規制は今年から適用されているため、今後工期はますます伸びることが考えられます。
もしも値段が同じであれば、工期が伸びてしまうと、ビジネスが一回転するのに掛かる時間が伸びた分だけ、ROAが悪化するはずです。それを補おうと思うと、その分一回転あたりの利益を上げる必要があります。つまり、建設業界の値上げの必要性があるということになります。そうすると、デベロッパーも、あわせて値上げをしたいところでしょう。
しかし、すでに首都圏の新築マンションなどは一般人ではペアローンを組まないと買えないような値段に上がっています。そうしたマンションを買う力のある外国人投資家などは必ずしも実需で買うわけではないため、日本の金利が上がったり、それにあわせて円高に振れて海外通貨建てでみた割安感が薄れると、すっと市場から需要が引いていく可能性があります。
建設業の多くは利益率もROAも元々非常に低いですから、何らかの大きな変化が求められる業界となりそうで、興味深くみています。
※ 本ニュースレターの内容は個人的な見解であり、何らかの組織の意見を代表するものではありません。
万代 惇史 / Atsushi Mandai
普段はマネックスグループで新規事業などを担当しています。ブレスト、ディスカッション、壁打ち、雑談、事業提携、何でもお気軽にお声がけください。
X:@atsushi_mandai / E-mail atsushi.mandai.1991@gmail.com
すでに登録済みの方は こちら